拠点事業の課題

拠点事業の課題

④美馬市医師会管内の人口推移と要介護認定者の推移(現状と予想)から考えられる課題
  • ア 少子高齢化が国の平均、徳島県の平均より進んでいること
  • イ 若い人の就業場所が少ないため、卒業後県外に職を求めるケースが多く、その結果最終的に高齢者が一人暮らしになると考えられる。また、一人暮らしの高齢者で不便なところで住んでいるケースが多い。
  • ウ 2025年には美馬市つるぎ町とも人口がそれぞれ約20%および30%減少し、65歳以上の人口および要介護認定者の増加が現実のものとなる。同時に医療介護の職員の確保が難しくなる。
  • エ 医師を含め医療・介護現場の職員の高齢化が進み、現在提供している介護医療サービスを提供することが難しくなる。その結果、医師は志はあっても在宅医療に関れる時間と人数は年々減少し病院と施設を運営するのが限界となる。
  • オ 人口減少に伴い、県市町村の税収は減少し、現状の医療介護サービスの持続が困難になる。
⑤人口面からの問題点を整理すると、医療介護資源が有効に連携することで地域の高齢化に対応することが非常に大切であることが理解できる。
在宅医療・介護の提供に係る多職種連携上の課題を整理すると以下のことが考えられる。

課題1
各医療施設ならびに介護施設は常時ほぼ満床の状態にあり、在宅療養中の患者さんが緊急を要する場合でも入院・入所が難しく硬直的になっており、多職種の連携に対応しにくい状況となっている。

課題2
医療および介護の施設間の情報交換の場がほとんどなく、効率的な施設情報・患者情報の共有がなされていないため多職種連携が難しい。

課題3
地域住民は医療機関および介護施設が提供するサービス内容を十分理解できていないため、多職種間の連携の必要性も理解できていない。

課題4
美馬市・つるぎ町は過疎が進み患家が点在し、山間地も多いため、さらに高齢化が進む中で独居老人や老々介護の家庭が多くなりつつあるため、効率的な在宅サービスの提供が難しい。

課題5
共働きの家庭も多く、在宅での療養や介護は難しく、多職種連携による在宅療養よりも入院や入所を選んでしまう。